図書館とカフェと小鳥と

図書館司書資格取得までの記録と図書館やカフェそして愛鳥について

映画「天使のいる図書館」

スピッツ草野マサムネさんのラジオ番組で以前紹介されて気になっていた、2017年公開の映画「天使のいる図書館」のDVDを図書館で借りて観ることができました。

ブレイク前の小芝風花さんと横浜流星さんが出演していて、さらに50代の元テレビっ子としては香川京子さんと森本レオさんのお元気な姿が観られることだけでも貴重な作品なのですが、108分という小品にも関わらず多くの見どころがあります。

この映画はタイトルの通り図書館を舞台として、小芝さん演じる新人司書が利用者へのレファレンスサービスを通じて成長していく物語です。

この新人司書は人と関わることが苦手で利用者の要求を上手に汲むことができません。ロボットのような話し方や動きなど、彼女にはおそらく発達障害アスペルガー症候群?)の傾向があり、これまで生きづらさを抱えてきたことがセリフから感じられます。

分業制の図書館もありますが、一般のイメージ以上に図書館司書にはコミュニケーション能力が求められるため、主人公には向かない職業だといえます。

しかし物語の中では、たとえ検討違いではあっても誠心誠意利用者の要求に応えようとするそのひたむきさにその人の心が動かされます。

また、レファレンスサービスにおいては回答に辿り着くために大変な粘り強さを必要とする場合があり、彼女の持つ特性が存分に発揮される場面があります。

これからの社会においては様々な特性を持つ人々がその人らしく共に生きていけることが必要ですが、司書仲間、特に上司役の飯島順子さんが主人公に呆れながらも温かく見守る演技が自然で素晴らしく、単なる主人公の「成長」物語でないところに好感を持ちました。

それから、末端ではありますが図書館に携わる者としては図書館員の仕事、その中でも「レファレンスサービス」がどういうものなのか、存在自体さえあまり知られていないこのサービスについて一般の人やこれから図書館員を目指す人にも分かりやすく描かれていることがとても嬉しいです。

さらに、この映画の舞台である奈良県の葛城地域は古代から続く神話の里として知られ、その美しい景観を映画の中で味わうことができます。

この作品全体に流れる温かさは登場人物だけでなく、豊かな自然や歴史ある建造物等の文化に囲まれていることも大きいと思います。

また自由に旅ができるようになったときにはぜひ実際に訪れてみたいです。

 

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